近年よく聞くようになってきたピラティスですが、痩せることもできるのでしょうか。
しかし、ピラティスってどのようなものなのか、ダイエットに本当に効果があるのか、気になるところです。
そこで本記事ではピラティスのダイエット効果や、無理なく続けていく方法について紹介していきます。
ピラティスは元々リハビリをテーマとしたエクササイズ
ピラティスはジョセフ・ハベルタス・ピラティス氏というドイツ人が考案したエクササイズです。
ピラティス氏自身はさまざまな持病を抱えており、自身の身体の悩みを改善するためさまざまなスポーツやエクササイズを組み合わせて作り上げたものが、ピラティスの原型です。
その原型を作った後、ピラティス氏は第一次世界大戦で従軍看護師になり、戦争で怪我した兵士のリハビリとしてピラティスを取り入れ発展させていきました。
現在行われているピラティスは筋肉と骨格を正しい位置に整え、健康になるという考え方が主軸です。
ピラティスの特徴は胸式呼吸であり、呼吸に合わせてゆっくり身体を動かすことで十分な酸素を取り入れ交感神経に働きかけ、頭や身体を活性化させます。
現在はフィットネスクラブやスポーツジム以外にも、病院や介護施設といった医療的な場所でのリハビリとしても取り入れられています。
ピラティスのダイエット効果とは
インナーマッスルが鍛えられる
ピラティスは全身を動かしますが、インナーマッスルやコアを中心に鍛えていきます。
ただ、一般的な筋トレとは違いムキムキになるわけではなく、あくまでしなやかな筋肉を作るので、ピラティスで作られた筋肉によって逆に太くなったりごつくなったりという心配はありません。
インナーマッスルの一部である以下4つのインナーユニットが鍛えられるのもポイントです。
インナーユニット | 位置 | 役割 |
---|---|---|
腹横筋 | お腹の周りを囲むように存在 | 体幹の安定性を保つ |
横隔膜 | 胸腔と腹腔の間に広がる薄い筋肉 | 呼吸の際に上下に動き、肺を膨らませる |
骨盤底筋群 | 骨盤の底面にある筋肉群 | 骨盤内臓器を支え、尿や便の排泄をコントロール |
多裂筋 | 背骨に沿って存在する小さな筋肉群 | 脊柱の安定性を保ち、姿勢を維持する |
ピラティスで行う胸式呼吸の使い方によりインナーユニットが鍛えられると、内臓が正しい位置に整いやすくなります。
その結果、下腹が出るのを防いだり内臓脂肪がつきにくくなります。
基礎代謝が上がる
上記でインナーマッスルが鍛えられるという点について説明しましたが、インナーマッスルが鍛えられると同時に基礎代謝も高まります。
基礎代謝が上がると、痩せやすくなります。
美しい姿勢になる
ダイエットして綺麗な身体になったとしても、姿勢が悪かったらあまり美しく見えません。
しかし、姿勢は習慣によって作られる部分があるので、姿勢を正しくしようとずっと自分で気を付けるだけでは疲れてしまいます。
ピラティスでは肩甲骨や股関節を意識して、正しい動きを身に着けることで、骨や内臓を本来の正しい位置に導きます。
特に背骨を正しい位置にすることを強化しており、左右のバランスがとれているか確認を都度行うので、身体の歪みを整え、意識しなくても自然と美しい姿勢が身に着きます。
痩せる以外にも
痩せる以外にもピラティスには自律神経を整える効果があります。
自立神経が整うと体温が上がり血流もよくなるので冷え性が改善されたり、睡眠の質が向上したり、むくみが改善されたりと、よくあるさまざまな身体の悩みが解決します。
免疫力も上がったりとメリットだらけです。他にもピラティスでインナーユニットを鍛えると、腰痛を和らげたり疲労を抑えたり、尿漏れの予防や改善まで期待できます。
ピラティスを無理なく続けるために
毎日やらなくてもいい
ピラティスは毎日行う必要はありません。筋肉は鍛えた後の休息で強化されるため、休みを入れることでより効果的になります。
過度な練習は筋肉痛や疲労を引き起こし、正しいフォームを崩す原因になります。
これはケガや効果の減少につながり、最終的にはモチベーション低下の要因となります。
初心者は週2〜3回から始め、慣れてきたら週4回程度に増やすのが理想的です。
痛みを感じたら休息を取り、きつすぎると感じたら負荷を下げるなど、継続できるメニュー作りが重要です。
徐々に負荷を上げていくのもよいでしょう。
短時間でも毎日行う方法も有効です。大切なのは自分のライフスタイルに合わせて続けることです。
毎日短時間行う場合は、背筋や腹筋などコアを鍛える軽めのメニューがおすすめです。
これはインナーマッスルの強化にも効果的です。
続けることで太りにくい身体になる
ピラティスの魅力は痩せられるだけではなく、基礎代謝を上げると、脂肪燃焼効果が高まり痩せた後も続けることで太りにくい身体になります。
ダイエットでピラティスを行う注意点
食事にも気を使う
いくらピラティスに熱心に取り組んでいても、食生活が乱れていては健康的に痩せることはできません。
消費したカロリーを摂取カロリーが上回ってしまっては、残念ながら痩せることは難しいです。
しかし、極端に食べる量を減らしたり、無理な食事制限を行うのは身体によくありませんし、せっかくピラティスでつくはずの筋肉がつけられなかったりと、ピラティスの効果も微妙になってしまいます。
大切なのはタンパク質と野菜を中心とし、バランスのよい食事を心がけることです。
たまには好きなものを食べて気分転換を図る程度であれば、問題もないでしょう。
すぐに効果が実感できるわけではない
ピラティスは全身運動ですが、急激な効果を期待するのは適切ではありません。
基本的にはゆったりとした動きが中心で、激しい運動ではないため、すぐには痩せません。
ピラティスの創始者は「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で身体のすべてが変わる」と述べています。
これは、身体の変化には時間がかかることを示しています。
人間の身体には恒常性があり、変化に抵抗します。ピラティスによる顕著な変化は約3ヶ月後から現れますが、それまでにも少しずつ変化している可能性があります。
効果がすぐに現れないからこそ、途中で諦めずに継続することが大切です。
楽しみながら続けることに重点を置き、コツコツと実践しましょう。
特定のイベントや季節に向けて始める場合は、十分な時間的余裕を持って早めに開始するのがおすすめです。
早くに効果を出したいなら他の運動と併用する
すぐに効果が実感できるわけではないものの、少しでも早く効果を出すコツとしては他の運動と併用させることです。
ピラティスで体幹が鍛えられ、筋肉のよい動かし方などが身に着くことで全身のバランスが整えられます。
その状態のよい身体を作り上げられると、他の運動をしてみても、ピラティスを行う前よりダイエットの効果が高まる可能性が高いです。
ランニングやHIITみたいな激しい運動でなくても、ウォーキング程度の軽いものでも大丈夫です。
まとめ
ピラティスではしなやかな筋肉がつくので、食事制限などでただ食べずに痩せた身体とは違い、引き締まった身体になり姿勢もよくなるので、美しく痩せることが可能です。
身体だけではなく、心にもよい影響を与えます。
ピラティスのダイエットは痩せるだけではなく、心身ともに健康的になれるので一石二鳥です。