- ダイエット方法でよく見る脂質制限って効果ある?
- 脂質の摂りすぎって具体的にどのくらいなのかな
- 食事量を減らさなくても痩せる方法を知りたい!
このような悩みや疑問をお持ちではありませんか。
ダイエット方法を調べていると「脂質制限」や「低脂質」という言葉を見たことがある方も多いでしょう。
その名のとおり料理や食材の油を控えるという手軽で効果的なダイエット法ですが、誤った制限の仕方をしてしまうと健康に被害が出るだけでなく、ダイエットが失敗する可能性もあります。
本記事では、脂質制限で痩せるためのコツ、1日の脂質量の目安やおすすめ食材などをご紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。
脂質制限は食材や調理の油を控えるダイエット法
脂質制限とは、調理や食材の「油」を制限するダイエットのことです。
たんぱく質、炭水化物の1gあたりのエネルギーは4kcalなのに対し、脂質は9kcalと倍以上。
少し脂質を減らすだけで摂取カロリーを簡単に減らすことが可能なため、ダイエット初心者でも始めやすいでしょう。
しかし、脂質は私たちに欠かせない3大栄養素の1つであり重要な役割を持っているため、減らし過ぎは体に悪影響を与える可能性もあります。
脂質の役割や減らし過ぎ、摂り過ぎによる影響をご紹介します。
脂質の働きや役割
脂質はエネルギー源として必要なだけでなく、ホルモンや細胞膜を作ったり、臓器を守り体温を調整する重要な役割があります。
極端に脂質を減らすと脂溶性ビタミンの吸収率が下がったり、肌や髪のうるおいにも影響を与えます。
脂質が多すぎるとどうなる?
1gあたりのエネルギー量が多い脂質は、エネルギーとして使いきれずに余ってしまうと、他の栄養素よりも優先して脂肪として蓄積されます。
また、体脂肪が増えるほかにも心筋梗塞や生活習慣病などのリスクが高まるため、適量を摂取することが大切です。
脂質制限ダイエットの3つのメリット
脂質を制限する方法は、少しの意識でカロリーダウンが可能なため初心者にもおすすめのダイエット方法です。
脂質制限ダイエットの具体的なメリットを3つ紹介します。
食事ボリュームを保ったままカロリーを抑えやすい
1gあたりのカロリーが他の栄養素と比べて高いため、脂質を少し制限するだけでカロリーを減らしやすいというメリットがあります。
食事量への影響も少なく、満足感を感じながらダイエットをすることが可能です。
炭水化物をしっかり食べながらダイエットできる
脂質を制限する場合、ご飯やパンなどの炭水化物を減らす必要はありません。
もちろん過剰摂取はダイエットの停滞につながるため注意が必要ですが、1日3回しっかりご飯を食べても問題ありません。
満足感があり腹持ちもよく、空腹を感じるつらさは少ないでしょう。
筋肉量が減りにくい
活動するために必要なエネルギーは減らさずしっかり摂取できるので、筋肉が分解されにくく代謝も下がりにくいです。
代謝のよい痩せやすい体を保ったままダイエットを進められます。
脂質の理想摂取量や外食メニューを選ぶときの基準
脂質制限中は1日どのくらいの脂質量に抑えたらいいのか、外食時の選び方について解説します。
自分の1日の摂取カロリーから、理想の脂質量を求める計算方法もご紹介していますので参考にしてみてください。
ダイエット中の脂質の目標摂取量
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、健康な人の1日の脂質摂取量は20〜30%とされています。
(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)
それに対し、脂質を制限する場合の理想的な摂取量は「1日の総摂取カロリーの20%」だといわれています。
1日の摂取カロリーから脂質の理想量を求める計算式をご紹介します。
- 例:1日2,000kcal摂取する場合
- 2,000kcal×20%=400kcal
- 脂質は1gあたり9kcalなので、400kcal÷9kcal=44.4g
- 2,000kcal×20%=400kcal
理想的な脂質量は約44.5gとなります。
外食や市販のものを選ぶときの脂質量の基準
1日の目標脂質量を超えないような食事選びが大切ですが、外食などカロリーの記載のない場合も多いでしょう。
その際、ぜひ選んでほしいメニューがこちらです。
- 和食の定食(刺身、焼き魚など)
- お寿司
- そば、うどん
和食は、中華や洋食に比べて調理に使われる油の量が少ないことが特徴です。
そのなかでも焼き魚や刺身の定食は、魚の良質な脂やたんぱく質も一緒に摂れるためおすすめです。
外食で悩んだら和食を選んでみてはいかがでしょうか。
市販の食品で栄養成分表示の記載のあるものは、できるだけ確認するようにしましょう。
一見脂質の少なそうな商品でも、予想以上の脂質が含まれていることも多いので注意が必要です。
極端に脂質をカットするのはNG
脂質は制限すればするほどいいというものではありません。
良質な脂質は活動するうえで大事なエネルギー源であり、脂肪の燃焼を助ける役割もあるためです。
また、ホルモンバランスが乱れやすくなり髪や肌の乾燥、女性は月経に異常が出る可能性もあります。
体によくない油はできるだけ避け、良質な脂質を適量摂取することが大切です。
脂質制限のやり方やダイエット成功のためのコツ5つ
脂質制限を取り入れたダイエット法を成功させるためのコツをご紹介します。
今日から始められる簡単な内容ですので、参考にしてみてください。
調理方法
脂質制限中は、揚げ物や炒め物など油を多く使う調理方法はできるだけ避けましょう。
焼く、茹でる、蒸すなど調理油を極力使用しない調理法がおすすめです。
高脂質な肉類を避ける
普段食べているお肉の種類を工夫することで無理なく脂質を抑えることができます。
以下の表に部位別の肉類に含まれる脂質量をまとめたので参考にしてみてください。
部位 | 脂質量(g) | 部位 | 脂質量(g) |
---|---|---|---|
うし リブロース 脂身つき | 56.5 | にわとり むね 皮付き | 17.2 |
うし バラ | 50.0 | うし ヒレ 赤身 | 15.0 |
うし サーロイン | 47.5 | うし もも 赤身 | 10.7 |
ぶた バラ | 35.4 | にわとり もも 皮なし | 4.8 |
ウインナーソーセージ | 30.6 | にんとり むね 皮なし | 1.9 |
ベーコン | 19.4 | ぶた ヒレ 赤身 | 1.7 |
にわとり もも 皮付き | 19.1 | にわとり ささみ | 1.1 |
うし もも 脂身つき | 18.7 |
同じ肉の部位でも脂身や皮の有無によって脂質量が大きく異なることが分かります。
食事量や調理法を変えなくても簡単に脂質を抑えられるので、お肉の選び方を工夫してみましょう。
脂質の種類を選ぶ
脂質には摂り過ぎないほうがよいもの、適量の摂取が体によい影響を与えるものなど大きく分けて以下4種類あります。
飽和脂肪酸
体内で合成でき、常温で固形の脂質です。
肉類、乳製品、チョコレート、パーム油などに多く含まれます。
一価不飽和脂肪酸
別名「オメガ9脂肪酸」と呼ばれている脂質です。
オリーブオイル、ごま油、アボカドなどに多く含まれます。
多価不飽和脂肪酸
「オメガ3」「オメガ6」の2種類に分類され、体内で合成できない必須脂肪酸を含んでいる脂質です。
青魚の油、クルミ、えごま油、なたね油などに多く含まれます。
トランス脂肪酸
植物油を高温にして脱臭する過程で作られる脂質です。
マーガリン、ショートニング、加工油脂に多く含まれます。
この中で控えたほうがよい脂質は「飽和脂肪酸」と「トランス脂肪酸」の2種類です。
どちらも過剰摂取はダイエットや健康にあまり良い影響を与えないので、できるだけ控えるようにしましょう。
おやつは洋菓子→和菓子にする
ケーキやチョコレートなどの洋菓子には、糖質だけでなく脂質も多く含まれています。
それに比べて大福やカステラなどの和菓子は脂質量がとても少なく、脂質制限中の間食におすすめです。
ただし、和菓子も糖質量は多いので食べすぎには注意しましょう。
糖質制限を同時にしてはいけない
糖質制限とは、ごはんやパンなどの炭水化物を制限する食事法です。
脂質制限と併用することでさらに痩せやすくなるのではと考える方もいるかもしれませんが、同時に2種類の栄養素を制限することはやめましょう。
脂質と糖質の両方を制限してしまうと、エネルギー源がほぼないため栄養不足になります。
さらに足りないエネルギーは筋肉を分解して作るため、筋肉も代謝も落ち痩せずらい体になってしまうでしょう。
脂質制限ダイエットにおすすめの食材
脂質制限での食材選びのポイントは以下の2つです。
- 低脂質な食材を選ぶ
- 脂質源は良質なものを選ぶ
それぞれのおすすめ食材をご紹介します。
低脂質な食材
- 野菜・果物・海藻類全般
- 魚(たい・まぐろ赤身・かつお・たらなど)
- 肉(モモやヒレなどの赤身肉全般、鶏肉など)
- えび・いか・たこ
- 貝類全般
これらの低脂質食材は、低カロリーながら栄養価が高く、タンパク質やビタミン、ミネラルが豊富で、健康的な体重管理と栄養バランスの維持に役立ちます。
良質な脂質の食材
- アボカド
- ナッツ
- オリーブオイル
- 魚の油
- 卵
- 大豆製品
これらの良質な脂質食材は、心臓病予防や脳機能向上に効果的な不飽和脂肪酸を含み、適量摂取することで全身の健康維持と栄養バランスの向上に貢献します。
正しい脂質制限で無理なくダイエットを成功させよう
脂質制限は、食事量を減らさずにストレスなくダイエット効果を得られるためおすすめです。
しかし極端な制限や間違った食材選びをしてしまうと、ダイエット効果を得られにくいだけでなく、体に悪影響を与える可能性もあります。
毎日の食事メニューを考えるのが難しい方、自分に合った食事が分からない方はパーソナルジムで食事指導を受けながらのダイエットがおすすめです。
体のことを考えた良質な脂質を選び、適度な脂質制限でダイエットを成功させましょう。