「引き締まったきれいな体を手に入れたい」「筋肉をつけてかっこよくなりたい」と思ってトレーニングをしている方々は、水分補給まで意識できているでしょうか。
実は、水と筋肉には深い関係があり、水の飲み方によってはトレーニング効果を上げることも下げてしまうこともできてしまうのです。
本記事では、トレーニングに水が重要な理由と4つのメリット、筋トレの効果を最大限に得るための水の飲み方、注意点まで徹底解説していきます。
筋トレ中に水を飲む4つのメリットと理由
人間の体の約60%が水分でできていることは多くの人が知っていると思います。
実は筋肉も75%以上が水分で構成されているため、筋肉の増量に水は欠かせない存在だと言えるでしょう。
では、水を飲むことで、実際筋肉にどのような作用があるのか、筋トレ中に水を飲むメリットと理由を解説していきます。
パフォーマンスの向上は筋肉の潤いから
上記で述べたように筋肉は75%が水分でできており、“からだの貯水庫”とも言われています。
水の摂取量が不足していると筋肉の潤いがなくなり、柔軟性が低下して肩こりなど体の不調につながりやすくなってしまうのです。
また、筋肉が干からびた状態でトレーニングを行っても、体を痛めてしまったり、慢性的な体の不調によりモチベーションが続かなくなってしまう危険性があります。
筋トレをするなら、まずは水分補給で筋肉を潤わせることがはじめの一歩です。
筋肉へ栄養を運ぶ
なぜ筋肉の75%が水分で構成されているのでしょうか。
それはズバリ、筋肉のもととなるたんぱく質を合成するのに使われる酸素や栄養素を筋肉に運ぶためです。
水を飲むことで血液循環が良くなり、必要な栄養素がスムーズに筋肉へと運ばれます。
逆に水不足の状態だと、筋肉の増量や回復の遅れにつながります。
筋トレ中だけでなく、筋トレ前後や日ごろからこまめに水分補給することで、筋トレの効果を最大限に得られる体の状態になれるでしょう。
疲労回復
普段、疲れた体をどのように回復させていますか?
筋肉が疲労しているときは、水分を必要としています。水を飲まないと筋肉の回復が遅れ、怪我につながってしまいます。
水は疲労回復を促進させる効果があるので、疲れているときこそ積極的に水を飲むようにしましょう。
また、夏は特に汗をかくことで熱い体を冷やす体温調節の役割も担っているため、熱中症リスクの軽減も期待できます。
尿酸値を下げる
尿酸とは、プリン体が肝臓で分解された老廃物の一種です。
通常は尿や便によって排出されますが、うまく排出できなかったり、食生活によって体内に溜まってしまうと尿酸塩となって関節部分に蓄積され、痛風などの痛みを伴う病気につながってしまいます。
実は、激しい運動や無酸素運動でも尿酸値を高めることを促進させてしまうのです。
尿酸値を下げ、病気を予防するには水分補給が欠かせません。
筋トレを続けられる体をつくるという観点からも、水を飲むことは重要なのです。
筋トレの効果を最大限に高める水の飲み方
ここまでは、なぜ水を飲むことが筋肉に良い影響を与えるのかを解説しました。
では、実際にどれくらいの水分量をどのように摂取すればいいのでしょうか。
目安となる水分摂取量や逃してはいけない水分補給のタイミング、水を飲む上での注意点をご紹介します。
意識すべき水分摂取量
- 1日に飲む目安量→1.5~2L(35ml/1㎏)
- 50㎏のは人1.7L
- 60㎏の人は2.1L
- 70㎏の人は2.5L
- 1度に飲む目安量→100~200ml(コップ1杯分)
運動中は15~20分おきに水分補給
(参照:医療法人社団充幸会高見澤整形外科クリニック「水分と身体の関係について」)
これらの量はあくまで目安であり、体の大きさ、運動量、発汗量によって変わりますが、1日あたり1.5~2Lほど水分補給できるのが理想的です。
筋トレや激しい運動をしている方は、目安をもとに運動量に合わせて水を飲めると運動効果がより出やすくなるでしょう。
また、一度に飲む量にもポイントがあります。
一気に多量の水を摂取してしまうと体に負担がかかってしまうので、少量をこまめに摂取することで、消化器官への負担も軽減され、水を飲むメリットがより効果的に得られるようになるのです。
逃してはいけない、筋トレ中の水飲みタイミング
筋トレをしていて、「喉乾いたな」「とりあえず何か水分補給したい」と思うことはありませんか?
実はそれ、体からのサインです。
喉が渇いたと思ったときにはすでに水分不足の状態であり、特に暑い夏は知らず知らずのうちに脱水症状や熱中症になっているリスクが高いのです。
しかし、筋トレに夢中になり、水分補給を忘れがちになってしまうのも事実です。
水分補給を忘れないために、まず水分補給のタイミングを決めてみましょう。
水分補給もトレーニングのうちです。喉が渇いたと感じる前に水を飲めるよう、エクササイズ数セットごとに水を飲む、15~20分おきにタイマーをかける、インターバル中には必ず水分補給するなど、筋トレメニューの中に水分補給も組み込んでみましょう。
それぞれのやりやすいタイミングでこまめな水分補給を意識していくことで習慣化されやすくなります。
筋トレの効果を上げる水以外の飲み物
水はカロリーがなく、低価格で入手しやすい点から、水分補給時の代表的かつ特におすすめの飲み物です。
しかし、中には「水の味が苦手」「味が欲しい」「飽きる」という意見も多く耳にします。
そんな時は、麦茶やプロテイン、スポーツドリンクなどに置き換えてみるのがおすすめです。
麦茶
筋トレ中に失われてしまうミネラルが豊富です。
また、大麦には体を冷やす作用があり、飲みすぎには注意が必要ですが、熱中症予防に最適です。
プロテイン
筋肉を作るタンパク質の補給に最適で、筋トレ前、中、後いつ飲んでも効果抜群です。
特に筋肉の修復が行われる筋トレ後1時間以内と、分泌されたインシュリンを分解するのを助けられる食後がおすすめです。
市販のものが多く、フレーバー数も多いですが、選ぶ際にはできるだけ添加物が入っていないもの、糖分が多すぎないものを選ぶ様にしましょう。
また、プロテインはおいしくないと思われがちですが、はちみつやフルーツなどとミックスするととてもおいしくなり、そのアレンジ方法も豊富です。
スポーツドリンク
ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど、含まれる栄養素が豊富です。
筋トレにより失われる主要な栄養素をすぐに補給することが可能です。
また、スポーツドリンクに含まれるミネラルは体内の水分を保持する役割も担ってくれるため、脱水症状にも効果的です。
しかし、甘くて飲みやすい分、糖分も多く含まれており、肥満や虫歯の原因になってしまいます。
1日あたり500mlのペットボトル1本までにするなど、飲みすぎには注意が必要です。
要チェック!水分補給で気を付けること3選
水分過多
何事もバランスが重要です。
脂肪燃焼作用を低下させ、脱水症状を引き起こす水抜きを絶対してはいけないのに加え、実は水の飲みすぎも体に負担をかけてしまうのです。
多飲症と言われ、血中ナトリウムの濃度が急速に低下する水中毒の一つ“低ナトリウム血症”によって頭痛、めまい、多尿、下痢などの症状を引き起こす可能性があります。
自分に最適な水分摂取量を知っておくことも筋トレの効果を上げるうえで重要と言えるでしょう。
電解質のバランス
発汗によりナトリウムなどの電解質が多く失われると、体内の電解質のバランスが崩れ、むくみ、高血圧、心不全などの症状を引き起こします。
電解質の量が低下しているときには、水やお茶ではなく、スポーツドリンクや糖分と塩分がバランスよく配合された経口補水液を飲むのがおすすめです。
避けるべき飲み物
カフェイン
仕事中やカフェでよく飲まれるコーヒー、紅茶、緑茶。
これらの飲み物にはカフェインが含まれます。カフェインには体内の水分量を低下させる利尿作用と、血管を委縮させてしまう作用があり、運動中には適した飲み物ではありません。
なるべく避けることをおすすめします。
糖分
主にジュースなど糖分を多く含む飲み物です。
甘くて飲みやすい分、糖の過剰摂取しやすく、血糖値の上下も激しいため筋トレの効果や回復に影響を及ぼします。
なるべく糖分の少ないプロテインやスポーツドリンクを選ぶ、または果汁100%のジュースをコップ1杯分にするなど量と節度を考えましょう。
冷たい飲み物
運動して暑いときにはどうしても冷たい飲み物を欲してしまいます。
しかし、消化器官への負担が大きく、腹痛や頭痛、筋肉の硬直につながります。
できるだけ常温、氷は1つまでにするなど、体への負担を軽減できるようにしていくことが望ましいです。
まとめ
筋トレをするうえでの水を飲む重要性、トレーニングの効果を最大限高める飲み方、そして注意点について解説しました。
水分補給もトレーニングの一環といえるほど、水は重要な役割を担い、筋肉増量・健康維持には欠かせない存在なのです。
まずは喉が渇く前にコップ1杯分飲むところから変えてみませんか?水の飲み方を改革し、理想的な体に近づきましょう!