冬は「冬太り」や「正月太り」という言葉があるため太る印象を持ちやすいですが、実はダイエットに向いている季節だということをご存じでしょうか。
寒い時期は体温を維持するために基礎代謝が上がりやすく、脂肪を燃焼しやすくなるためという点が大きな理由です。
一方で、冬の食べ物は高脂質なものが多く食事を楽しむ機会も増えるため、適切に対処しなければ冬の間に体重が増えてしまう危険性があります。
本記事では、冬がダイエットに適した季節である科学的根拠に基づいた理由や、冬のダイエットを効果的に進めるコツなどをご紹介します。
冬は太りやすいと思われているのはなぜ?
冬は実際にはダイエットに適した季節でもあるのですが、「冬太り」という言葉があるように、体重が増えやすい季節というイメージをお持ちの方も多いでしょう。
冬に太りやすい、または実際に太った経験がある場合、以下のようなことが要因として考えられます。
- 運動時間の減少
- 冬に向けて栄養を溜め込む働きがある
- 夏と比べ高脂質な食べ物が多い
それぞれ解説します。
運動時間の減少
寒さが厳しくなるにつれて、外に出て運動したり通勤や通学で歩くことを避けがちになってしまい、運動不足につながります。
運動量が少なくなるとカロリー消費量も減るため、摂取カロリーが消費カロリーを上回り太りやすくなるのです。
冬に向けて栄養を溜め込む働きがある
冬の寒い時期には、体温を保つために脂肪をエネルギーとして蓄え、その脂肪を燃やすことで体温を維持する役割を果たします。
脂肪を溜め込む働きが活発になるため太りやすくなる可能性があるのです。
夏と比べ高脂質な食べ物が多い
夏の暑さや夏バテ防止として好まれる料理や食材はあっさりしたものが多く、低脂肪なものが多いです。
一方、冬は寒さから体を守り、体温を維持するためにエネルギーを多く必要とするため、効率よくカロリーを摂取できる脂肪分の多い料理が好まれる傾向があります。
夏場はシャーベット系、冬には脂肪分の多い生クリームやチョコレートが食べたくなるのもこの原理です。
結果的に食事全体の脂質量が多くなり、カロリーオーバーとなって脂肪が増えやすくなるのです。
冬はダイエットに適した季節!その理由とは?
冬は脂肪を溜め込みやすい季節である一方、ダイエットに適した時期でもあります。
その理由は主に以下の2つです。
- 季節によって基礎代謝量には変動があり、冬は高くなる
- 褐色脂肪細胞の働きが活発になる
それぞれ詳しく解説します。
季節によって基礎代謝量には変動があり、冬は高くなる
基礎代謝量とは、安静時に体が消費するエネルギー量のことで、生命維持に必要な機能を支えるために最低限必要なものです。
この基礎代謝量は季節によって変動があるということをご存じでしょうか。
夏場は外気温が体温に近いかそれ以上であるため、あまりエネルギーを消費せずに体温を維持できます。
しかし、冬になると外気温が下がるため、体は寒さから筋肉や内臓を守るために、より多くのエネルギーを消費して体温を維持しなければなりません。
基礎代謝量は秋から冬にかけて急激に増加し、年間で約11%の変動が見られるという研究結果も発表されているのです。
さらに、大分医科大学を中心に、弘前大学、日本文理大学、別府大学の研究者が協力して実施した研究によると、冬になると10月と比べて1日に約100kcalも基礎代謝量が増加するということが分かっています。
これらの理由から、冬はほかの季節と比べて基礎代謝が高くなるためダイエット効率が上がると言えます。
褐色脂肪細胞の働きが活発になる
寒い季節がダイエットに適している2つ目の理由は、褐色脂肪細胞の働きが活発になるためです。
私たちの体内に存在する脂肪細胞は大きく分けて以下の2種類があります。
白色脂肪細胞 |
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エネルギーを脂肪として貯蔵し体温調節に関与する。皮下脂肪や内臓脂肪など一般的に「体脂肪」として認識しているものは白色脂肪細胞に分類される。 |
褐色脂肪細胞 |
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寒さを感じるとエネルギーを使用して熱を作り出す特殊な脂肪細胞。首や脇の下など限られた場所に存在している。 |
寒さを感じると交感神経からホルモンが分泌され、白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞に変換する働きが活発になります。
褐色脂肪細胞が増え活発になることで燃焼効果が高まり、ダイエット効率の向上が期待できるという研究結果もあるのです。
このことから褐色脂肪細胞が活発になる冬はダイエットに適した季節だと言えるでしょう。
冬のダイエットを加速させる方法4選
冬は基礎代謝が高くなるため痩せやすい季節とされていますが、とくに何もしないで自然に痩せることは難しいでしょう。
ここからは、冬のダイエット効率を上げるために押さえておきたい4つのポイントについて詳しく解説します。
1.体を冷やさない
褐色脂肪細胞を活性化させるためには、適度に寒さを感じることが必要になります。
一方で、過度な寒さは内臓を冷やしてしまい、血行の悪化や代謝の低下などを引き起こし、逆に健康に悪影響を及ぼす可能性が高いのです。
そのため、適度に外に出る機会を作りながらも、食事や生活習慣で体を温めることを意識する必要があります。
体を効果的に温めるためには、内側と外側の両方からアプローチすることが重要です。
体の内部から温める方法 |
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体を温める作用がある食材を摂る(ショウガ、ネギ、根菜類、発酵食品、肉や魚など) |
体の外部から温める方法 |
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入浴、カイロや腹巻の使用、3つの首を温める(首・手首・足首) |
2.朝食をしっかり食べる
朝食でしっかり栄養を摂ることで、睡眠時に下がっていた血糖値や体温が上がります。
体温が上がることで食べたものをエネルギーとして効率的に使えるようになり、朝から代謝の高い状態を保つことが可能です。
また、上がった体温や代謝を保つためにもエネルギーが使われるため、基礎代謝の向上も期待できるでしょう。
ダイエットを成功させるためには朝食がとても重要です。
その理由については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
3.タンパク質不足を防ぐ
筋肉量が多いほど基礎代謝や体温は高くなり、カロリー消費量も上がります。
ダイエットや食事制限をしていると全体の食事量が減り、筋肉を維持するために必要なタンパク質が不足しがちですので、とくにタンパク質を意識して摂取することが大切です。
さらに、タンパク質を含む食品は満腹感を得やすく腹持ちも良いため、間食や食べ過ぎを防いで余分なカロリーの摂取を抑えられます。
タンパク質はササミや鶏胸肉のみ、といった偏った食材選びは避け、肉や魚、卵や大豆製品などざまざまな食材からタンパク質を摂取することを心がけましょう。
4.定期的に運動する
基礎代謝が高くなる冬にこそ、定期的に運動する習慣を身につけましょう。
外の寒さを感じることで褐色脂肪細胞が活性化されて燃焼をサポートしてくれるため、効率よく消費カロリーを稼ぐことが可能です。
ジムでの運動やランニングのほかにも日常生活で階段を選ぶ、一駅分歩いてみるなどを意識すると良いでしょう。
また、筋トレも非常に効果的です。
筋トレにより筋肉量が増えることで基礎代謝が向上し、日常生活で消費するカロリーを増やすことができます。
また、筋トレは運動後も代謝が高い状態が続く「アフターバーン効果」も得られるため、できるだけ取り入れてみましょう。
冬こそダイエットのチャンス!
冬は年末年始や正月などで食事を楽しむ機会が増える、夏と比べて高脂質な料理が多いという注意点がある一方で、基礎代謝が高いためダイエットに適している季節だと言われています。
基礎代謝が高く燃焼効率の良い冬のタイミングを活かして食事や運動に取り組むことができれば、春から夏にかけてのダイエットが楽になるでしょう。
夏に向けて冬のうちから本気でダイエットを始めたい、自分に合った食事や運動方法が知りたいという方は、パーソナルジムに通うことをおすすめします。
冬の寒さを利用して効率よく脂肪を燃焼し、引き締まった体を手に入れましょう。